コラム

2022.05.09蜂蜜&蜜蜂

【非加熱の蜂蜜は何が違うのでしょう】非加熱、完熟、生、などなど言われますが美味しさや品質に違いがあるのでしょうか

フランス ストラスブール

「非加熱のハチミツ」「生のハチミツ」とお聞きになっても何の事?と思われる方も多いのでは。
言葉の通り、加熱をしていない、何も加えていない、ということです。
ことさら「非加熱」をうたうのは、本当のおいしいハチミツを得るには欠かせないポイントだからです。
基本はみつばちに全てをゆだねるのが理想です。
では人の手を加え加熱すると何が問題なのでしょう。

◆蜂蜜に含まれる酵素に影響があります

蜂蜜にはいくつかの酵素が含まれています。
その多くはミツバチの体の中から花蜜と一緒に移ったものです。
サラサラの花蜜の状態から蜜蜂の羽で起こされた風で水分が飛ばされ、さらに酵素で蜂蜜の風味が作られてゆきます。
まさに熟してゆくという言葉が当てはまります。
なので蜂蜜の美味しさは酵素が十分に働いてこそ、なのです。

◆高温では蜂蜜の酵素は働かず品質が劣化します

白砂糖やメープルシロップの糖分に比べ
蜂蜜の糖分はさらに分解が進み体に吸収されやすい形になっています。
これは蜂蜜の酵素の働きよるものです。
実はこの酵素が熱に弱いのです。

人の手を加えない食材を直接口にするわけですから蜂蜜の保存方法と品質についての研究もあります。
その中では温度が上がると酵素がどのくらい働いているかを調べた結果報告もされています。

例えばブドウ糖に分解する酵素(αグルコシターゼ)は60度以上だとほとんど働かないそうです。
また、ブドウ糖に働きかける酵素(グルコースオキシターゼ)は50度以上だとほとんど働かないそうです。

このブドウ糖と酵素の働きでできるグルコン酸は天然食材にはあまり含まれないレアものです。
実はこのグルコン酸、ビフィズス菌のエサになる唯一の有機酸と言われています。
なのでヨーグルトと非加熱の蜂蜜の組み合わせは腸内環境を整えるサポートができるのですね。

◆蜂蜜の保存状態にも影響が出ます

上の例で、ブドウ糖に働きかける酵素によってグルコン酸だけではなく消毒液でおなじみの過酸化水素も作られます。
これが細菌の繁殖を抑え、開封後も蜂蜜の常温保存を可能にするポイントです。

蜂蜜はそもそも水分が少ないので細菌が繁殖しづらい食品です。
ジャムなどと同じです。
それでもさらに開封後も常温保存が可能な理由はこの過酸化水素がハチミツ内で作られているからです。
ですが加熱処理されるとこの過酸化水素が作られないので常温保存も危うくなるわけです。

メープルシロップは開封すると常温でカビが生える事があります。
これはメープルシロップは蜂蜜より水分量が多いことに加え、作る時に加熱処理により全て殺菌されているものの、開封後の菌の混入に抵抗できないこともあります。

◆完熟・非加熱の純粋な蜂蜜を一度お試しください

蜂蜜は発酵食品ではありませんが、酵素が働きコクや旨味を感じることができます
グラニュー糖との違いです。
ちょうど、もち米から麹で糖分を作るみりんにコクと旨味を感じるのと似ています。
単なる甘味を足すだけの上白糖とは違います。

完熟非加熱の純粋蜂蜜を一度試されて下さい
多くの方は試された事がないかと思います
一口でその違いを分かって頂けると思います

<ご参考>アカシアのはちみつ

※今回の内容は、内閣府食品安全委員会のサイトより:フランス食品衛生安全庁AFSSA2010年1月 
 及び、日本工業学会誌 第21巻 第5号 1974年5月を参照いたしました

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<花田養蜂園>