コラム

2022.08.30フード&ヘルス

【酪酸菌もお忘れなく】酪酸菌もシンバイオティクスの主役です

東京六本木近辺のビルより東京タワーを望む

腸内環境を整える善玉菌と言えばビフィズス菌ですね。
ですがもう一つ酪酸菌もお忘れなく。
腸内環境を食事から整える実践方法としてシンバイオティクスがあります。
その時のターゲットは主にビフィズス菌と酪酸菌です。
ビフィズス菌に比べ酪酸菌はあまり聞かないかもしれません。
どうして酪酸菌なのでしょうか。
今回は酪酸菌の素晴らしい働きについてご紹介いたします。

◆健康な人の腸には酪酸菌が多く宿っています

京都府立医科大学の内藤先生が2019年9月に論文を発表しています。
Journal of Clinical Biochemistry Nutrition に掲載されています。

健康長寿者が多いとされる京丹後と京都市内の老人の腸内環境を調べています。
結果は京丹後の老人たちは酪酸菌の数がより多かったそうです。

◆酪酸菌がもたらす効果は何でしょう

★免疫系の細胞の増加を促し体の炎症を抑える
★幸せホルモンであるセロトニンの元を作る

どちらもとても大切な役目ですね。
体の炎症やアレルギーを抑えることは生活の質を高めます。
脳内でセロトニンが多く作られると前向きな気分になります。
それだけではありません。
セロトニンは夜には睡眠ホルモンであるメラトニンに姿を変えます
つまり良質な睡眠をもたらすのです。
確かに健康で長生きするには大切なポイントですね。

◆酪酸菌が炎症を抑えるメカニズムとは

2013年12月、有名な科学雑誌Natureに酪酸菌が抗炎症に関わる仕組みが発表されました。
アメリカの著名なハワード・ヒューストン医学研究所のNicolas Arpaia 博士の論文です。

それまで炎症を抑える免疫細胞としてT細胞の存在は知られてました。
ですがこのT細胞がどの様に増えるのか分かりませんでした。
その炎症を抑えるT細胞を増やす仕組みを調べたのがこの論文です。
酪酸菌が作る酪酸がT細胞を増やしていたのです。
T細胞によって腸内の炎症が抑えられメデタシとなるわけです。

しかもまだ続きがあります。
腸内で増えたT細胞はリンパ組織に乗って全身に運ばれます。
そうです。全身の炎症を抑えてくれるのです。
なので酪酸菌で腸内環境を整えるとアトピーや花粉症の緩和につながるわけです。
目に見える症状でなくても体の炎症を抑えることは老化抑制につながります。

◆セロトニンを増やして前向きになるとは

幸せホルモンのセロトニンは脳内で作られます。
その材料は水酸化トリプトファンですがなんと約9割は腸内で作られます
つまり腸内環境を整える事がとても大切なわけです。
そして酪酸菌がこの水酸化トリプトファンの生成を促します
腸からせっせと水酸化トリプトファンを脳に送りセロトニンが作られます。
つまり酪酸菌を含む腸内環境を整える事がとても大切なわけです。
セロトニンについては別のコラムでもご紹介しています。
<ご参考>幸せホルモンは腸内環境がカギです

◆酪酸菌をふやすには

先ほどご紹介したNatureに掲載された論文と同じ2013年12月に日本の研究者の論文が掲載されました。
理化学研究所の古澤博士によるものです。

その論文では、マウスの実験で食物繊維を多く食べさせると酪酸菌の活動が活発になるとあります。
つまり酪酸菌によってより多くの酪酸が作られ免疫細胞が増えたそうです。
酪酸菌を活発にさせるには食物繊維が良いということですね。
なので、豆類、海藻類、キノコ類などがポイントです。

一方酪酸菌を含む食品は意外と少ないようです。
一般的に言われるのはぬか漬けぐらいでしょうか。
酪酸菌については食物からではなく食物繊維で増やす方が効率的です。

ビフィズス菌と酪酸菌。どちらも優れ者です。
ビフィズス菌の餌になるハチミツと酪酸菌の餌となる繊維質。
ヨーグルトと一緒にバナナや小豆、ハチミツをお試しください
腸内環境を整え生活の質を高めることにつながりますよ。
なお食事で腸内環境を整えるシンバイオティクスについては
蜂蜜はプレバイオティクスの代表格です
をご参考になさってください。

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