コラム

2022.07.14蜂蜜&蜜蜂

【環境問題でダメージを受けるハチミツ 2 みつばち編】みつばちの活動は草花と一蓮托生で適切な環境が必要です

ベルギー ラ・ロシュ アン アルデンヌ(La Roche-en-Ardenne)のお店にて

環境問題は昆虫や草花など弱いところに確実にダメージを与えます。
今はまだ昆虫が受けているダメージを直接的に見ることはないかもしれません。
ですがハチミツを含め農作物収穫への影響は出始めています。
おそらく人が気が付いていないだけなのかもしれません。

◆みつばちは気温に応じた対応ができますが、それでも異常気象はダメージとなります

昆虫は気温の変化に弱いですが、それでもみつばちはそれなりの対応ができます。
冬の寒い時期は、巣のなかで羽を震わせ巣内の温度を上げて過ごします。
一方30℃を超えるような夏の暑さには巣の入り口に水をまき羽であおぎ巣内の温度を下げます。
ですが、異常気象で35℃を超えるような気温では巣箱から飛び立つどころか生存さえ危うくなります。
ちなみに移動養蜂では日本のみならず海外でも気温が上がる日中の移動は避け、涼しい夜に高速道路で素早く移動します。
それでも日本は近年の異常気象で暑すぎて、クールダウンのためトラックの上に氷を置いたりします。

◆異常気象が花の開花に影響するとみつばちの活動にも響きます

例えば2022年の春先は低温と長雨のため玉ねぎが育たず一気に玉ねぎが値上がりしましたね。
同じように草花が成長せず花が十分に開花しなかったり花蜜を出さなかったりすると、当然みつばちは活動できません。
また例年より春先の気温が上がり開花のタイミングが早くなると巣箱を設置するタイミングがずれ、みつばちも十分採蜜ができなかったりします。

◆環境問題として農薬の使用もみつばちには脅威です

農家の方々にとっては効率的にそして採算が取れるように農薬の使用は避けられないかと思います。
ですがみつばちにとっては致命的な農薬もあり、巣箱のみつばちがほぼ全滅するケースがあります。
これはもちろん日本のみつばちだけではなくグローバルレベルの話です。
例えば神経毒性の農薬であるネオニコチノイドは過去に大きな問題となり、海外では早い時点で使用制限されていましたが、日本ではみつばちへの致命的な影響が認められるのに10年近い歳月が必要となりました。
国連で毎年5月20日は「世界みつばちの日」と決議され、みつばち保護はグローバルに意識されています。
すぐに解決できる問題ではありませんが、みつばちが皆さんに愛され可愛がってもらえるようになるといいのですが(笑)
<ご参考> 5月20日は世界みつばちの日です

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