コラム

2022.07.14蜂蜜&蜜蜂

【環境問題でダメージを受けるハチミツ 5 ポリネーター編】ハチミツの不作は農作物も不作となるアラームです

ドイツ バート・ヴィンプフェン(Bad Wimpfen) 郊外

環境悪化に伴い、ハチミツの蜜源樹木が日本では減っています。
花蜜が減りつつありますが、それはみつばちの数が減ってゆくことでもあります。
ハチミツは100%自然相手の食材ですからある意味、坑道のカナリア的な一面もあります。
みつばちが減ってゆくことは徐々に人の生活に影響をもたらします。
また残念なことに日本では養蜂家の高齢化でみつばちを育て、守る人が不足しつつあります。
環境問題と養蜂家の高齢化で、日本のみつばちとハチミツは徐々に心もとない状況になりつつあります。

◆ハチミツの不作はハチミツだけで終わる話ではありません

このサイトコラムでは何度かご紹介いたしておりますが、みつばちはポリネーター(受粉媒介者)としてとても大切な存在です。
人の手で農作物全ての受粉を行うのは不可能です。農園の規模が大きくなるとなおさらです。
開花の季節には受粉のためにみつばちをレンタルすることもあります。
受粉媒介者としてみつばちはとても大切な存在なので、農林水産省も養蜂マニュアルを作成しサイトにアップしています。
みつばちは、我々の食の基盤の一部を支えています。

◆世界がみつばちを大切に思い保護しようとしています

環境問題によるハチミツの不作はみつばちが生き辛いことを物語っています。
世界がその事実に注意を払っています。食の基盤がゆらぐ可能性があるからです。
世界の要人が集まるスイス・ダボス会議(ワールド・エコノミック・フォーラム)をうけ、2020年12月にポリネーターについてレポートが出されました。
ポリネーターの減少が全世界で約60兆円の農作物に影響が出ると。。
2017年12月20日には毎年5月20日を「世界みつばちの日」としてみつばちを保護しようと国連で決議されています。
<ご参考> 5月20日は世界みつばちの日です

◆ひるがえって日本では養蜂家の高齢化が宿題に

日本ではみつばちを育てる養蜂家は高齢化という問題をかかえています。
みつばちの数が減ると人の手で受粉を行うことになりますが、これは農家の高齢化が進むと大変な作業になります。
ですので先にもお話ししましたが、農作物収穫のためみつばちのレンタルが日本でも行われています。
ところが環境問題でみつばちが減っているのに、みつばちを育てる養蜂家の数も高齢化で減ってゆく流れです。
日本は養蜂家の高齢化という問題に環境問題が加わりみつばちの保護が弱くなっています。

環境問題でみつばちが減りハチミツの収穫が不振なのは、農作物収穫の不振につながるアラームでもあるのですね。

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