【本物の美味しいハチミツとは?】ハチミツは個体差が大きく残念ながら偽装もとても多い食品です
ハチミツはとても身近な食品ですね。
お店やスーパーで必ず見かける食品です。
種類も多いですが一度購入すると一年近く棚に置かれ中々減らないかもしれませんね(笑)
なにせ日本では一人当たり年間のハチミツ消費量は300g程度です。
ですが本当のハチミツを食べて頂くとその美味しさにびっくりされると思います。
美味しいだけでなく本物は健康補完食品としてとても優秀です。
とは言うもののハチミツは残念ながら偽装がとても多い食品です。
このコラムがハチミツを選ばれる際のご参考になれば。
◆ハチミツの個体差が大きいとは。。
お店に並んでいるハチミツをご覧になると、さまざまな種類があり値段もそれぞれだと思います。
花の種類で当然異なるハチミツとなります。
ですがどの花のハチミツであっても取扱いがきちんと行われていればとても美味しいハチミツとなります。
その取扱いとは一言で言えば全てみつばちに任せて待つことです。
どうしても商業ベースで大量の商品を生産しようとすると効率が求められます。
すると、みつばちが巣の中でハチミツを仕上げたサインを出す前に待てずに人の手が入るケースが多くなります。
その人の手の加わり加減でハチミツは個体差が大きくなります。
品質面で個体差が大きいとは花の種類ではなく食品化の過程で起こります。
◆本当のハチミツとは
ハチミツができるまでは、みつばちがそれなりの手間をかけています。
花蜜は水分量が多くしゃぶしゃぶの状態です。
これをみつばちは自分達の羽であおぎ水分を2割くらいまで飛ばします。
更に少し熟成させてろうで巣に栓をします。
これで完成です。出来上がりのサインです。
こうして出来たハチミツは本当に美味しいです。
一口食べて頂くだけでお分かりになります。
ですが限られた花のシーズンで多くのハチミツを採取しようとすると、まだ水分量が多い段階で回収し加熱で水分を飛ばすことになります。
みつばちは改めて花蜜を採りに出かけ生産量が増えることになります。
加熱するとハチミツの酵素が働かず本来の味わいが劣化します。
また極端な場合では、水分を十分に飛ばさず別の糖分を加えて甘さを維持する方法が採られたりします。
これだと水分が飛んでいない分だけ水増しできます。
また当然砂糖よりも安いブドウ糖果糖液糖などが使われます。
異性化糖と呼ばれる糖分で糖化リスクが高く健康面から評判の良くない糖分です。
過剰な果糖を摂ることになるので問題視されています。
◆残念ですがハチミツは偽装がよくされます
さらにとても不名誉なことで残念ですが、ハチミツは偽装が多い食品です。
学術論文ベースで報告のあった偽装食品のリストにハチミツは載っています。
NIH(National Institutes of Health: アメリカ国立衛生研究所)
医療ライブラリー(National Library of Medicine)
に載っている文献です。
Development and application of a database of food ingredient fraud and economically motivated adulteration from 1980 to 2010.
(1980年から2010年までの食品成分詐欺と経済的な思わくによる異物混入のデータベースの開発と適用)
2012年4月 Journal of food science
文献のタイトルにありますように、経済的に儲かるように偽装が行われます。
この文献によると学術論文ベースで報告があったトップ7は以下の通りです。
①オリーブオイル
②ミルク
③ハチミツ
④サフラン
⑤オレンジジュース
⑥コーヒー
⑦リンゴジュース
ここでトップ7を挙げたのは、これらの食品で食品成分詐欺として報告の半分以上を占めるからです。
これは世界で報告された文献を調べた結果ですのでグローバルベースということになります。
ハチミツに関して言えば、加熱をして別に糖分を加えるパターンが多いかと思います。
ちなみにこの文献によると、学術論文ベースの報告ではなく各種メディアの報告で偽装報告をまとめた結果も報告されています。
一位が魚類で、ハチミツは二位だそうです。
残念なことです(泣)
◆ハチミツ本来の美味しさと効用
本当のハチミツはとても美味しいと申しましたがそれだけはありません。
本当のハチミツは健康サポートの面でも頼りになります。
例えば善玉菌のエサになり腸内環境を整えます。
これも非加熱でないと酵素が働かずエサになる成分が作られません。
腸内環境を整えることは免疫力を高めます。
さらには気持ちを前向きにするセロトニン、更には睡眠へ導くメラトニンは整った腸内環境なしでは期待するほど脳内に現れません。
またハチミツと同じ糖分を同じ量溶かした砂糖水とハチミツ水を飲み比べると、ハチミツ水の方が血糖値上昇が小さかった実験結果もあります。
この結果は単にハチミツが糖分をもたらすだけでなく血糖値コントロールの効用も持っていることを示しています。
この血糖値コントロールの面でも非加熱で酵素が働いたハチミツがポイントです。
<ご参考>ハチミツと砂糖の比較 その2
◆加熱は偽装ではありませんが。。
ただ加熱されたハチミツは偽装ではありません。
加熱されるとハチミツ本来の美味しさと栄養素が劣化するのでハチミツの品質面で個体差が出るということです。
さらにみつばちが栓をするまで待つことも商業ベース的には難しい面があります。
ですが本当の完熟ハチミツとはここまでみつばちに任せて手に入るものです。
たとえ非加熱であったとしても最後まで、つまり完熟まで待つのと待たないのでは美味しさに差がでます。
その差は一言で言えば旨味の違いです。
このサイトのコラムではよく文献をご紹介致しますが、それら文献の多くはどの様なハチミツを使ったのか丁寧に説明しています。
多くの場合がメーカー(作りて)より直接協力を得てハチミツを入手しています。
つまり出所がはっきりとしています。
言い方を代えると、出所がはっきりとしたハチミツを実験では使っていますので、その様な本当のハチミツでないと効用も期待薄かもしれないということになります。
美味しさと効用の両面より、国産・非加熱・完熟のハチミツを一度ぜひお試しになってください。
「どれもそれほどテイストに違いはないでしょ」
「少しおおげさなのでは?」
と思われている方は多いと思います。
「単なるハチミツでしょ」と。
ですが国産・非加熱・完熟のハチミツに出会われた方は少ないのではないでしょうか。
実際スーパーで 国産・非加熱・完熟 のハチミツが置かれていることは珍しいと思いますので。。
一口で美味しさを分かって頂けると思います。
<ご参考>アカシアのはちみつ