コラム

2022.08.19フード&ヘルス

【料理に甘みを足す1 上白糖との比較編】上白糖と本みりん・ハチミツは違います

奥日光 湯滝

料理に甘みを足したい時、上白糖か本みりんなのか迷うことがありますね。
ですが甘みを足すならハチミツも料理に使えますよ。
上白糖と違い、本みりんもハチミツもストレートな甘さではなくコクとマイルドさを持ち合わせています。
ではそのような違いはどこからくるのでしょうか。

◆本みりん・ハチミツどちらも人工的な加工はされていません

本みりんは主にもち米を麹で糖化・熟成させて作られます。
ハチミツはみつばちの体内の酵素で花蜜が熟成されます。
なのでどちらも人工的な加工がされず時間をかける自然食品です。
ちなみに本みりんを更に酵母で発酵させると日本酒になります。

◆本みりん・ハチミツどちらも上白糖とは違います

糖分の違い(ショ糖とブドウ糖)が大きいです。
上白糖は糖分(炭水化物)のみです。
本みりん・ハチミツはミネラル・タンパク質を含みます。
上白糖は主にサトウキビを絞り上澄み液を煮詰めて完全に水分を飛ばした結晶です。
この上白糖の糖分は多糖類と呼ばれるショ糖です。
ショ糖は消化酵素でブドウ糖や果糖などの単糖類に分解されてから吸収されます。
一方本みりん・ハチミツの糖分は主にブドウ糖です。
これら糖分の違いとミネラル・タンパク質の存在の違いが味わいの差となります。

◆上白糖との味わいの差はまずはマイルドな甘さです

ショ糖とブドウ糖ですが、甘さの感じ方が異なるんですね。
甘さを計る指標として「甘味度」と呼ばれる言葉があります。
独立行政法人・農畜産業振興機構のサイトに甘味度の説明があります。
ショ糖の甘さを1とするとブドウ糖の甘さは0.6~0.7程度です。
これは人が甘さをどの様に感じるか、という官能評価なのでバラつきはあります。
いづれにせよショ糖の上白糖よりもマイルドな甘さとなります。
ただアカシアなどの冬に固まらないハチミツはブドウ糖より果糖を多く含みますので甘さは強く出ます。

◆さらに上白糖よりコクを楽しめます

上白糖は一言で言えば炭水化物だけでできた結晶です。
一方、本みりん・ハチミツはミネラル・タンパク質を含みますので、上白糖よりコクを楽しめます。
例えばタンパク質は旨みの成分となります。
本みりん・ハチミツ共に100g中0.3gのタンパク質を含みます。
更にもっと直接的に旨みを感じるアミノ酸も共に0.2g含みます。
どちらも文部科学省 食品成分データベース2020年度版からです。
本みりん・ハチミツ共に同じ値なのは奇遇ですね (^_^)

良くも悪くも上白糖はショ糖の結晶なので純粋に甘さだけを足すことになります。
一方、本みりん・ハチミツは旨みを感じるアミノ酸を含むのでコクを加えることができます。
では本みりんとハチミツは何が違うのでしょうか。
長くなりますので別のコラム「料理に甘みを足す2」に渡します。

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