コラム

2022.08.06フード&ヘルス

【ハチミツレモンからの贈り物 3 香りと抗ストレス編】レモンの香りは脳に直接届きます

イギリス カンタベリーの街中

誰でもストレスは早めに解消したいものですね。
ですがレモンの香りがストレス緩和に貢献するのでしょうか。
アロマって言われるほど本当に効果があるの?と疑っている方も多いかもしれませんね。
例えばすき焼きの匂いやカレーの匂い、紅茶やコーヒーの香りに誘われたりしないですか。
そうです。香りは人の本能に働きかけるのです。
特にレモンのような柑橘系の香りはアロマの中で最も分かりやすく気分に作用します。
レモンのあの爽やかさは単なる見せかけでは決してないのです。

◆レモンの爽やかさの正体はリモネンです

柑橘系果物は全般にとても爽やかな香りがしますね。
あの香りの大部分を占めているのがリモネンという成分です。
アロマテラピーでは、果実や果皮に含まれる植物油を抽出して得られるエッセンシャルオイルを使いますね。
レモンのエッセンシャルオイルの60%以上はリモネンから成っています。

◆リモネンの爽やかでライトなイメージには訳があります

リモネンは軽いのです。
なので包丁を入れるとパッと香りの粒子が舞うのです。
この軽さがすぐに鼻の奥に届くため他の香りより先にこの爽やかさが脳に伝わるのです。
アロマの世界では、香り易さ(成分が重いか軽いか、分子量の違いです)で大きく3つに分類します。
軽いカテゴリーから、トップノート、ミドルノート、ベースノート、と分類しています。
柑橘系はまさにトップノートです。
アロマのブレンダーはこの3つのカテゴリーを意識しながら香りをブレンドします。
柑橘系に比べると、確かにベースノートはどっしりとした湿った感じの香りの成分が多く、決して爽やか、という表現は使えないです。
ちなみにトップノートの成分は軽い分、香りが消えるもの一番早いです。

◆抗ストレス作用のラットでの実験

心身健康科学6巻1号2010年
「脳の機能と栄養」という文献が載っています
ここにラットを使ってリモネンの抗ストレス作用を確認する実験が行われています。
ラットに4℃、2時間の寒冷ストレスをかけます。
この時、事前にリモネンを投与しておいたラットはストレスによる血中のストレスホルモンの増加が有意に低下したそうです。
もう一つのストレスは可哀そうですが、電気ショックを与える実験です。
この時も、事前にリモネンを投与されていたラットの血中ストレスホルモンの濃度は有意に抑えられたのです。
結果のグラフを見ると、リモネンを投与されたラットの血中ストレスホルモンの濃度はリモネン無しの状態のおよそ半分に抑えられています。

◆抗ストレス作用のヒトでの検証

同じ文献では人に対する検証も紹介されています。
このケースは、人にストレスをかけるのではなくリモネンでリラックスできるかどうかを検証しています。
リラックスできたかどうかは、人がリラックス状態の時に現れるα波を計測しています。
レモン果汁を用意するのですが、レモンの香り成分を除いたレモン果汁も用意されています。
2種類のレモン果汁を飲んでもらい、30分後とその後60分までのα波の出方を比べます。
結果は香りのあるレモン果汁を飲んだ場合の方が多くα波が出たそうです。
特に30分後以降に影響が出ているので身体への影響には爽やかな香りを嗅いでからタイムラグがあるようです。

と言うことで、レモンの爽やかな香りを楽しむのであれば、レモン果汁の炭酸割にハチミツを加えるのがお勧めです。
ハチミツレモンを作るためにレモンを切ったときから脳にはリモネンが届いていますよ(^_^)

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