【ハチミツレモンからの贈り物 2 ミネラル吸収編】レモンはハチミツのミネラルを効率よく取り込みます
少しの量でもいいのですが、なかなか吸収が難しいミネラル。
いくら食べ物に多くのミネラルが含まれていても吸収できないと効果は望めませんね。
例えばカルシウムとか。
ですがレモンに多く含まれるクエン酸はうまくミネラルを取り込んでくれます。
なのでレモンとミネラルを含むハチミツとは相性が良いのです。
◆ミネラルは体内では合成されません
残念ながらほとんどのミネラルは体内で合成されないので食事で摂るしかありません。
ところが意外とミネラルは吸収が難しい成分です。
例えばカルシウムの多くは水に溶けず思ったほど吸収されない代表例です。
また他の成分で吸収が妨げらるミネラルもあります。
鉄分などはその代表例で、コーヒーや緑茶のタンニンが吸収を妨げますし、カルシウムとの組み合わせもよくありません。
なのでミネラルは摂れるときに摂っておきたい成分です。
◆ミネラルは必要とされる量は少しですが、それでも体にはなくてはならない成分です
例えば血管は筋肉でできていますが、その血管を緩めるにはマグネシウム、カリウムが使われます。
血圧のコントロールにつながるわけですね。
ちなみに逆に血管を締めるにはカルシウム、ナトリウムが使われます。
また亜鉛は細胞分裂をサポートする触媒の役目を果たします。
舌は体の中でも常に新しい細胞が活躍する代表的な器官です。
なので亜鉛が不足すると細胞分裂が十分に起こらず味がよく分からなくなります。
あるいは傷口の亜鉛濃度は通常より濃くなっていることが観察されており細胞分裂に亜鉛が使われていることが分かります。
いづれにせよ、ミネラルは体になくてはならない成分です。
◆クエン酸がもたらすキレート作用
キレートとはギリシャ語由来で、カニのはさみ、を意味します。
クエン酸はこのキレート作用によってミネラルを抱え込みます。
ミネラルはそもそも金属類ですから水に溶けにくく体に吸収されづらい成分です。
ところが、クエン酸自身は水に溶けやすい成分です。
なので、吸収されにくいミネラルもクエン酸に抱え込まれると一緒に水に溶け、より吸収されるわけです。
実はこの仕組みは市販のサプリメントでも使われており、クエン酸はよくサプリメントに配合されていますよ。
◆人を対象にした実験でもクエン酸効果の結果が出ています
人の身体の構造はネズミや他の哺乳類と比べるととても複雑です。
なので、ネズミの実験で効果があっても人の実験では効果が出ないことも多くあります。
独立行政法人 国立健康・栄養研究所が、レモンの疲労回復効果は人ではデータがない、と見解を出しているのも人の場合は予想通りに結果が出ないことを踏まえてだと思います。
さてクエン酸のキレート作用ですが、実際に6人の健康な男性で実験した結果があります。
同じクエン酸でもレモンではなくスダチ果汁をしらす干しの粉末に混ぜて使っています。
結果は蒸留水だけを使った場合より、カルシウムで1.4倍、マグネシウムで1.2倍多く吸収されたそうです。
(Nii Y, Osawa T; Effect of Citrus Fruit(Sudachi) Juice on Absorption of Calcium from Whole Small Fish in Healthy Young Men ; Food Science and Technology Research; 2006年12月)
同じくマグネシウムの吸収に関して、アメリカでも同じ様な報告がなされています。
46人の健康な人を対象に60日間毎日マグネシウムを取ってもらい、その後の体内への吸収状況を調べた結果です。
特に60日後のクエン酸キレートでのマグネシウム吸収の効率が他の方法よりも高かったそうです。
2003 Sep; 16(3): 183-91 NIH(National Institutes of Health アメリカ国立衛生研究所)PMID: 14596323
◆カルシウムやマグネシウムを含むハチミツとレモンでミネラル補給を
このコラムでもよく使わせてもらっている食品成分表2020年版(文部科学省)によると、
100gのハチミツに、カルシムは4mg,マグネシウムは3mg含まれています。
クエン酸のキレート作用を利用して、ハチミツレモンで大切なミネラルを体に取り込んでくださいね。