【ハチミツの賞味期限と消費期限】加熱処理なしの熟成がキーです
ハチミツっていつまでも残っているよね、
と棚にいつまでも瓶が残っていたり。。
トーストにたまに塗るだけなので全然減らない。。。
と思っておられる方は多いかもしれませんね。
実際、日本人の一人あたりの一年間のハチミツ消費量はおおよそ300g程度です。
そうすると気になるのは時間が経っているけどまだ食べれるかな?
ということでしょうか。
今回はハチミツの賞味期限と消費期限についてお話致します。
◆ハチミツは腐らない?
ハチミツの賞味期限について気になられた方は、既に色々なサイトで調べられたかと思います(^_^)
そしてハチミツは腐らない、との記述を多く見られたのではないかと思います。
中には、古代エジプトのミイラに防腐剤として使われていた話し、
一緒に埋葬されていたハチミツが2000年以上経っていても腐っていなかった、
などの記事もご覧になられたのではないでしょうか。
結論は多くのサイトで説明されている通り、ある条件をクリアしていればハチミツは腐ることはありません。
◆ハチミツが腐らない理由
ではどうしてハチミツは時間が経っても腐らないのでしょうか。
大きく2つの理由があります。
① 水分含有量が20%未満
② 過酸化水素を含んでいる
特に②はハチミツ本来のおいしさにもつながる話しです。
順に説明致します。
◆水分含有量が20%未満
生物は水がないと生きてゆけません。
昔より保存食の中には腐らない様に干して水分を飛ばした食材が多くあります。
また乾パンやクラッカーなども水分が少なく保存食とされます。
ジャムも水分が少なく日持ちのする食品ですね。
ハチミツの水分量は文部科学省食品成分データベースによると2割未満です。
ハチミツと同じ様な食品にメープルシロップがあります。
メープルシロップの水分量は3割強です。(同じく文部科学省食品成分データベース)
経験された方もおられるかもしれませんが、メープルシロップは瓶を開けて使っているとたまに白カビが生える事があります。
ハチミツは瓶を開けてもカビが生えることはありません。
つまりメープルシロップの中は菌が生きれる環境ということになります。
その理由の一つが水分量の違いです。
ちなみに別のコラムでハチミツとメープルシロップの違いについてお話しておりますのでご参考になさってください。
◆過酸化水素を含んでいる
水分量以外にもハチミツ特有の理由があります。
それはハチミツの過酸化水素です。
過酸化水素と言うよりも消毒液のオキシドールと言った方が分かりやすいかもしれませんね。
傷口の消毒に塗るとシュワ―と勢いよく泡を吹くその成分です。
まさにこの殺菌作用がハチミツ内での細菌繁殖を抑えています。
そんなものがはちみつに入っているのか、
とびっくりされたかもしれませんね。
実は過酸化水素を含むハチミツが本来の美味しいハチミツです。
ハチミツに最初から過酸化水素が含まれているわけではありません。
蜜蜂が花蜜を採取し巣の中で熟成させる間にできる成分です。
蜜蜂が花蜜を巣に持ち帰った時、一緒に蜜蜂体内の酵素も混ざります。
この酵素のおかげで巣の中で熟成される間にブドウ糖へと糖分が分解されてゆきます。
これが本当のハチミツで美味しさが全然違ってきます。
花蜜の状態だと水分が多くさらさらですから、巣で水分を飛ばしながら熟成させるプロセスはとても大切です。
過酸化水素もこの過程の中でできた成分です。
酵素は種類にもよりますが60℃前後以上になると働かなくなります。
ですので水分を早く飛ばそうと加熱処理すると酵素が働かなくなり熟成しないのです。
つまりハチミツ本来の美味しさを犠牲にしているわけです。
ちなみに過酸化水素はグルコースオキシターゼと呼ばれる酵素でブドウ糖から作られます。
加熱処理をしたはちみつは酵素が働いていないので過酸化水素が含まれていない可能性が高く、開栓後品質が劣化する可能性があります。
非加熱の大切さについて別のコラムでもご紹介しておりますので、ご参考になさってください。
◆ハチミツとボツリヌス菌
ところで1歳未満の乳児にはハチミツを与えないで、と言われますね。
ボツリヌス菌による中毒の可能性があるからです。
ここまで読まれた方は、
ハチミツって菌が繁殖しないのでは。。?
と疑問に思われたかもしれませんね。
ボツリヌス菌は酸素のあるところでは繁殖することができません。
なので酸素が薄い腸内で繁殖します。
繁殖する前は芽胞(がほう)と呼ばれる硬い殻の中に閉じこもっています。
芽胞自身は増えることはありません。
ボツリヌス菌は芽胞の状態で土壌など自然界に広く存在しています。
ハチミツに混ざるケースはこの芽胞です。
ハチミツの中は水分がありませんので芽胞は発芽しません。
なのでハチミツの中でボツリヌス菌が繁殖することはありません。
ですが芽胞がまざった状態のハチミツを食べると腸内で殻を破り細菌が繁殖しようとします。
1歳以上だと他の腸内細菌に阻まれボツリヌス菌は繁殖することができません。
残念ながら一歳未満の乳児だと腸内細菌が整っていないため、中毒を起こす可能性があります。
小さいお子様がおられもう少し詳しくお知りになりたい場合は、国立感染症研究所のサイトに情報が載っておりますのでご参考になさってください。
◆ハチミツが変質する時
加熱処理や余計な添加物が入っていなければハチミツは腐りません。
ですが、ハチミツを発酵させて作るお酒があります。
世界最古のお酒と言われるミードです。
菌が繁殖しないのにどうして発酵するのでしょう。
それは単純に水が加わったからです。
ミード(MEAD)は蜜蜂の巣に雨水が溜まり発酵したのが始まりと言われています。
種類にもよりますが、少し甘めのワインと言った感じで中々おいしいです。
ドイツの甘めの白ワインがお好きなら、一度試されてください。
別のコラムでご紹介致しておりますのでご参考になさってください。
◆花田養蜂園のハチミツの場合
繰り返しとなりますが、加熱処理などの余計な手が入っていなければハチミツに消費期限はありません。
一方賞味期限は美味しい状態で食べて頂くため、販売者ごとに期間を決めて表示されていると思います。
はちみつの場合瓶詰から2年~3年間で表示されているのがほとんどだと思います。
花田養蜂園では瓶に賞味期限を貼っております。
瓶詰から2年間で賞味期限を設定致しております。
管理人は在庫管理の関係で賞味期限が一年程度過ぎた300gのハチミツ6本を家族と一緒に2か月半で食べてみたことがあります。
まず香りですが賞味期限内のハチミツと変わりませんでした。
見た目も青森りんごを除き変わりませんでした。
青森りんごはもともと固まりやすいのですが、期限後は粒状の固まりの数が増えていました。
さて肝心の味ですが、これは全く変わらなかったです。
1本づつ順番に食べたのですが期限前との違いはなかったです。
もともと本来のハチミツはこれまでお話ししてきた通り開封前は品質劣化はほとんど起こらないのですが、その通りでした。
毎日食べ続けて6本分を食べましたが、
その間お腹が痛くなったり
体調を崩したり
することはありませんでした。
ぜひ花田養蜂園のハチミツを一度お試しください。
最初の一口で本当のハチミツの美味しさを分かって頂けると思います。