【ハチミツは砂糖より血糖値に優しい】ハチミツを糖尿病の方々にも検証した文献結果です
当サイトの中でいくつか上白糖とハチミツ比較についてコラムを載せています。
それは同じ甘みでも成分の違いが味わいの差につながるというお話です。
ですが今回は健康に気を配るのであれば上白糖よりハチミツを!というお話です。
とても大胆な提案ですね(笑)
その根拠は栄養素、ではなく血糖値を落ち着かせる実験結果が多く出ているからです。
今回はハチミツと血糖値に関してレビューされた文献をご紹介します。
◆はじめに
①ハチミツは糖尿病のリスクを高める?
ハチミツのイメージは糖分の塊でしょうか
ですが成分は糖分だけではありません
砂糖とは違う影響が血糖値に及びます
②むしろハチミツはプラス効果です
むしろ血糖値をコントロールしてくれます
意外かもしれませんが。。。
③過去の文献のまとめが根拠です
動物実験だけではありません
人への検証でも良い結果が出ています
しかも一本だけではなく複数の文献で
④美味しいハチミツを楽しまれてください
ハチミツはトーストだけではありません
チーズや果物ともとても良く合いますよ
高血糖への不安が和らぐと嬉しいです
今回は高血糖を気にせずハチミツを楽しんで頂けるように文献をご紹介致します。
*ハチミツと糖尿病に関する文献のご紹介
*ご紹介文献の背景
*前段階としてGI指数のご説明
*動物実験の結果
*人への検証結果
これらの順でお話いたします。
◆ハチミツと血糖値の関係レビュー文献
当サイトのコラムの中でもよく引用させてもらうNIHに掲載されている文献です。
NIH(National Institutes of Health) アメリカ国立衛生研究所
そのサイトの中にNational Library of Medicine(国立医学関連書庫)のコーナーがあります。
今回の文献はその名もズバリ
Honey and Diabetes (ハチミツと糖尿病) 2018年2月 です。
それまでのハチミツの血糖降下作用に関するさまざまな実験結果をまとめています。
つまり過去の関係文献を全て見直しまとめた総括版です。
◆今回の文献の背景
そもそもハチミツは炭水化物が多い(100g中80g強)食材です。
なので誰でも普通に考えてハチミツが血糖値に良い影響があるとは思わないですね。
研究者も同じようにハチミツは糖尿病患者に使えないと思ってきたそうです。
ですが、ルーマニアや世界の研究チームが長年に渡り研究を続けてきた背景があります。
しかもその結果が全般的に無視できないポジティブな成果だったと。
それを受け、これまでの研究結果をこの文献はレビューし整理しています。
◆糖分の種類と血糖値に与える大きさ
GI指数をご存知でしょうか。
食品が食べられた後、どれだけ血糖値が上がりやすいか食品ごとに比較する数値です。
ブドウ糖を100として各食品が比較されます。
体に入った後の反応ですし、そもそも同じ食品でも糖分の含まれ方には差があります。
なのでデータベースによって結構値にバラツキがあったりします。
今回はシドニー大学のサイト内にあるGIサーチの値を参照致します。
ハチミツは58です。(Pure Honey: 純粋ハチミツ)
砂糖は91です。(Sugar refined: 精製糖)
この数値を見てもお分かりのようにハチミツの方が血糖値上昇はマイルドです。
◆動物実験によるハチミツのポイント
文献では、動物実験でハチミツは
健康でも糖尿病でも血糖値を下げる効果
が示されています。
文献では血糖値降下のメカニズム可能性として2点挙げています。
★ハチミツの果糖がプラスの効果を
★ハチミツの抗酸化作用がプラスに
果糖はもともとインスリンを使わずに吸収されますのでGI指数は19と低く血糖値への影響は小さい方です。
それだけではなく糖尿病の動物実験で果糖は血糖値を下げる傾向があるそうです。
そのメカニズムは果糖が肝臓の細胞を刺激することにあるようです。
養分の蓄えであるグリコーゲンを作るブドウ糖の肝臓への取り込みと貯蓄に重要な役割を果たしています。
またインスリンを作っているのはすい臓です。
動物実験よりすい臓を酸化ストレスから守る抗酸化作用をハチミツが持っている可能性を挙げています。
◆人への臨床実験の結果
単なる動物実験だけではなく人での実験結果もまとめられているのがポイントです。
文献中では健康な人も糖尿病の人も合わせて色々と結果が紹介されています。
そして過去の多くの論文を信頼性や重複性などを考慮しふるいにかけています。
その中でも9つの文献結果が表にまとめて紹介されています。
それらの結果を要約して、
★ハチミツを摂ると体重の減少だけでなく
★健康な人、糖尿病の人の血糖値も下げた
と文献では報告されています。
ほとんど糖分からなるハチミツが血糖値を安定させるのは興味深いですね。
GI指標の低さからも上白糖の代わりにハチミツを使うことは体にはとても優しいことになりますね。
◆文献内の表で紹介された9本の結果
9本はそれぞれ検査項目が少しづつ異なるので同じように結果を比較することはできません。
ですが共通項目をまとめると次の通りです
ハチミツと血糖値について | 6本 | 血糖値の変化について |
1型糖尿病について | 2本 | 内容紹介を省略します |
GI指数について | 1本 | 内容紹介を省略します |
9本のうち6本がハチミツを使った血糖値変化の人への検証結果が紹介されています。
結果は6本中4本で血糖値低下の報告です
一残り2本はネガティブです
さて、ネガティブな報告もあるのなら
ハチミツは食べれない、
と思われたかもしれませんね。
ですがもう少しお付き合いください。
これら人への実験でどの位のハチミツを摂取すると思いますか。
管理人はちょっとびっくりしたのですが。。
文献ごとに異なりますが、平均的に毎日体重1㎏あたり2g前後です。
体重60㎏だと毎日120gのハチミツです。
これだけのハチミツを毎日摂取するとさすがに高血糖になっても当然のように思えるのですが。。
結果をはっきりとさせるためだとは思いますが、少し極端な非日常的な量だと思います(笑)
逆にこれだけハチミツを摂取しても7割弱の文献で血糖値低下作用があったというのも驚きです。。
しかもほとんどのケースは糖尿病、糖尿病が疑われる、肥満の方も入っての結果です。
なので健康な人の場合はハチミツの血糖値低下効果が期待できそうです。
◆まだまだ長期的な検証が必要ですが
今回の文献のまとめでも述べられていますが、まだまだ検証は必要です。
なにせポジティブな結果が出ていてもそのメカニズムが分からないのは残念な点です。
ですがまとめでは、
ハチミツが糖尿病の血糖値をコントロールする利点
を示していることは述べられています。
もちろん糖尿病の人だけでなく健康な人の血糖値も下げています。
ご紹介した9本の文献の中には、
軽度の糖尿病の方に対しハチミツは砂糖に代わる価値ある物、
との証明がなされるかもしれない、とまで述べられています。
実際にハチミツ水と砂糖水を飲み比べた検証文献をご紹介しておりますので、ご興味があればご参考になさってください。
<ご参考>ハチミツ水と砂糖水を飲んで血糖値比較した文献結果
管理人はもう15年以上毎日ハチミツを食べています。
それでも血糖値は安定していますし体重も増えていません。
これについては「蜂蜜を食べ続けると糖尿病になる?」でお話しています。
パンに塗るだけでなく料理にもハチミツを使ってみてくださいね。
非加熱・完熟の純粋ハチミツは一口で美味しさがハッキリと分かりますよ。