【アカシアの木は取扱い注意です】花田養蜂の蜂蜜5 人気の蜂蜜や可憐な花とは裏腹に獰猛な面をあわせ持ちます
ハチミツの中でもアカシアは人気です。
テイストにクセがなくマイルドで色々な食材に合わせることができます。
また冬でも固まらないので使いやすいハチミツです。
ハチミツでは人気のアカシアですがみつばちにとっても人気の樹木でとても大切な蜜源です。
ですので養蜂家にとっても大切な樹木です。
ですが生態系をおびやかすほど獰猛な一面を持っています。
特に農家の方々にとっては伐採してほしい樹木です。
何がそんなに問題なのでしょうか?
今回はアカシアについてのお話です。
◆まずもって名前から要注意です
アカシアは明治初期に日本に持ち込まれたと言われています。
この日本のアカシアは人気のはちみつを提供してくれるポピュラーな木なのですが、実は正式名をニセアカシアと言います。
ニセアカシアは白い花々を20cmほどの房状に垂れ下げて付けます。
一方正式名のアカシア(ミモザとも俗に呼ばれます)は黄色いポンポンの形をした小さな花を付けます。
なので正式名のアカシアはニセアカシアの花とは似ても似つかない別物です。
ニセアカシアが開花する5~6月は、その周りに甘い香りを漂わせ蜜蜂の蜜源として貢献するのですが、何かニセアカシアという名前は可哀そうですね。
県の花になっている秋田県小坂町では6月にアカシアまつりが開催されますが300万本とも言われるアカシアはニセアカシアです。
※国内のアカシア蜂蜜はこのニセアカシアなので、ここからはアカシアの名前で進めますね。
◆繁殖力が強く周りの生態系を崩すため環境省は「生態系被害防止外来種リスト」に載せています
アカシアは暑さにも寒さにも条件の悪い土地にも耐え、根を張るとき他の植物を排除するように広がるため、極めて繁殖力が強いと言われています。
クローバーは凄い!でもご紹介いたしましたが、アカシアもマメ科で根に根粒菌を持っています。
なので空気中より土壌に溶け込んだ窒素を養分として使う事ができ生命力が強いわけです。
アカシアが根付いた環境は他の生態系に悪影響をもたらすということで、環境省は「生態系被害防止外来種リスト」にアカシアを載せ、適切な管理が必要としています。
◆一方、ポリネーター(花粉媒介者)である蜜蜂を育てるので養蜂家は保護に努めています
一方でアカシアは蜜源としてみつばちが集まる木です。
日本古来の植物体系を守るためアカシアを伐採するとみつばちの数も減ってしまう可能性があります。
ポリネーターとしてみつばちは人々の食生活を支えていると蜜蜂いなくして農作物なし?でご紹介しておりますが、養蜂家にとってみつばちが元気に採蜜できるアカシアは、マロニエや菩提樹と同じように大切な樹木なのです。
農家の方々は農作物を守るためアカシアを伐採されようとしますし、養蜂家の方々はみつばちを守るためアカシアを守ろうとされます。その話し合いはお互いにとても真剣です。
アカシア蜂蜜はマイルドな味わいで何にでも合わせることができ、色も白濁せず透明感が高く、冬でも固まらないので人気の高いハチミツです。
ですがその人気と高級感の裏には意外にもアカシアの獰猛さが隠れているのです。
アカシアのハチミツのテイストについは以下のコラムでご紹介いたしております。
<ご参考>アカシアのはちみつ